さぶりなの映画日記

ロックダウン生活で始めた映画のこと、アメリカ生活のこともちょっぴり

実話が基だけれどもシリアスすぎない『薬の神じゃない!』

あっと言う間に11月ですね。

気が付けば10月は映画は1本しか見ませんでした。

その1本も10月31日にようやく『薬の神様じゃない!』を観た状態です。

この映画は日本公開は2020年10月16日ですので、まだ上映中でしょうか?

私は無料映画アプリで観ました。

 

あらすじを公式サイトより引用しますと、

上海で、男性向けのインドの強壮剤を販売する店主 チョン・ヨン(程勇)は、店の家賃さえ払えず、妻にも見放され、 人生の目標を見失っていた。ある日、「血液のがん」である 慢性骨髄性白血病を患うリュ・ショウイー(呂受益) が店に訪れる。国内で認可されている治療薬は非常に高価であるため、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を購入して欲しいという依頼だった。最初は申し出を断ったものの、 金に目がくらんだ程勇は、ジェネリック薬の密輸・販売に手を染め、より多くの薬を仕入れるため白血病患者たちとグループを結成。依頼人の呂を始め、白血病患者が集まるネットコミュニティ管理人のリウ・スーフェイ(劉思慧)、中国語なまりの英語を操る劉牧師、不良少年のボン・ハオ(彭浩)が加わり、事業はさらに大きく拡大していく。しかし、警察に密輸として目をつけられ始め、一度はグループを解散した程勇だったが、薬を絶たれた患者たちの悲痛な叫びに決意を固める。患者の負担を軽くするため仕入れ値以下の価格で薬を売り、あえて危険な仕事を続ける彼に待ち受ける結末とは・・・。

 

この映画は実際にあった薬の密輸事件を基に作られたそうです。この事件をきっかけに中国の医療業界も改革されたとか。

最近の中国はすごく発展していてテクノロジー部門では日本やアメリカを超えていると思うんですよね。でも、中国の発展してお洒落な部分だけに焦点をあてた映画やドラマって嘘くさくて見る気にならないんです。

この映画は高い薬を容認していた政府、薬の密輸等を題材にしていますが、シリアスに問題提議するようには描かれていません。テンポよく笑いもある展開です。でも、主人公のダメ男ぶり、白血病患者役の人達は本当に顔色悪いし、政府の役人は慇懃無礼でとリアリティーがあり、ぐっと映画に引き込まれます。

主人公は中国国内で認可されている薬と成分が同じ未認可の薬をインドから密輸。中国国内では偽物扱いだから政府は取り締まり、偽物は飲まないようにと言う。正規の薬は高価すぎて一瓶だって庶民は買えませんよ。白血病患者は長期にわたってその薬の服用が必要でしょうし、きっと骨髄移植だって非現実的なんでしょうから、薬を飲まなければ治療法はないに等しいでしょう。役人はそんな庶民のことなんか考えてない。私の住んでいるアメリカも医療費の高さ、医療保険が社会問題になっており、他人事とは思えない映画でした。

前半は薬の密輸でお金が儲かって儲かって~とビジネスが上手くいくのはいいのですが、捕まらないでくれよ~ハラハラしながら観てました。後半はお金よりも命を救うことに頑張る主人公にすっかり感情移入してしまいました。

映画の中で主人公に薬の密輸を持ちかける白血病男性がマスク3枚着用しているシーンはコロナ禍の今、現実味がありましたね。