さぶりなの映画日記

ロックダウン生活で始めた映画のこと、アメリカ生活のこともちょっぴり

『ラブソング』香港2大スターが演じる大陸出身者のラブストーリー、テレサ・テンの歌声と共に。

2019年だけでなく、2020年も香港が揺れています。

香港大好きな私にとっては、ニュースを見る度に香港のこと、さらには台湾のことまで考えると気分が落ち込んでしまいます。

そう、香港大好きなんですよ。時々、香港の街並みを見たり、広東語を聴きたくなると香港映画を観ます。そんな時に出会ったのがこの『ラブソング』です。香港の街並みを楽しみながらみてたら、最後5分くらいが、なんとも良くてびっくりした映画でした。恋愛で切ない気分に浸りたい人におすすめです!

この映画はまだ香港がイギリス領だった時代のものです。この頃は、大陸から香港に憧れを持ってやってきて広東語や英語を勉強した。それが1990年代後半になると中国人観光客が増えはじめ、反対に北京語が出来るほうが商売に有利となり......

そして、今はまた大きな波に飲み込まれそうになっていると、時代の移り変わりをふと考えてしまいました。

あらすじ

大陸から香港にやってきたレオン・ライ演じるシウクワン。広東語も話せないし、故郷とは全く違う香港の街に圧倒されながらも仕事を見つけてなんとか生活しているシウクワン。そんな時、マギーチョン演じるレイキウに出会います。彼女は同じ大陸出身者だけれども広東語が話せるからシウクワンよりも香港での生活に余裕があります。2人ともテレサテン好きということで仲良くなり、気がつくと付き合うようになっていました。しかし、シウクワンには故郷に婚約者がいる。そして、マギー・チョンは株の暴落で財産を全て失ってしまう。元々、色々と違う2人。あることをきっかけに2人は別れてしまいますが......

 

香港の2大スターが共演

主人公のレオン・ライとマギー・チョンは香港の大スターです。でも、2人とも、写真では、カッコいい(または可愛い)かもしれないけどパっとしないなぁと思うんですけど、映画のように演じている姿を見るとやはり良いですよね。

映画の話に戻ると、レオン・ライはよく言うと素朴、悪く言えば不器用でダサい役どころにピッタリはまっています。フィアンセの誕生日プレゼント選びまでマギー・チョンに選んでもらう鈍い男です。反対にマギー・チョンはとにかくお金儲けしたいと、行動的で突っ張ってるような役どころです。香港に慣れなくてモタモタやってるレオンライのことを「あ~、見てらんない」って感じで先輩風をふかして世話を焼いているところに彼女の情の厚さが垣間見えます。

映画では上手くいきそうでなかなか思い通りにいかない、2人のすれ違いが切なく描かれています。2人とも好きとか言わず、表情で表現するので観ていて辛いです。終盤は舞台をニューヨークに移し、そこでもすれ違う2人。後半の好きだけれど、一緒になれないもどかしさは、色々な事情でそうなるにしても、観ているこちらも胸がキューンとなります。

 映画のもう一つの主役、テレサ・テン

そして、テレサ・テンの優しい歌声がさらに映画を盛り上げてくれます。『月亮代表我的心』が流れるシーンは特に好きです。この映画の原題でもある『甜蜜蜜』も流れます。テレサ・テンは日本語でも沢山歌っており、どれもとても素晴らしいですが、私は中国語の歌のほうが好きです。テレサ・テンは1995年に42歳で亡くなられました(まだ若かったんですよね)。最近の人ではご存知ない方もいるでしょう。ぜひ、テレサ・テンの中国語の歌を聞いてみてください。

f:id:LoongNoteChan:20201214112651j:plain

映画にも出てくるニューヨークのチャイナタウンの通り。