さぶりなの映画日記

ロックダウン生活で始めた映画のこと、アメリカ生活のこともちょっぴり

『男はつらいよ』シリーズ、お気に入りの作品はどれですか?

全48作品ある『男はつらいよ』シリーズで皆さんはどの作品が好きですか?

『男はつらいよ』シリーズはどの作品もそれぞれに良さがありますよね。ベストを一つ選べと言われたら難しいですが、好きな作品を複数選べるなら、いくつかあります。

自分では好きとは意識していなくても、気が付けばついつい何度も観ている作品があるんです。今回は好きな作品についてお話します。

 

1.第32作目 『口笛を吹く寅次郎』 

マドンナ:竹下景子さん

あらすじ:旅の途中、岡山県は高梁に博(さくらの旦那さんですね)のお父さんのお墓参りにふらっとやってきた寅さん。住職さんと気が合い思わず一泊してしまう寅さん。そして、ひょんなことから住職さんの代わりを務めることになる。すっかりお寺になじんでいるある日、博一家が父親の法事でやってきて......

 

まず、寅さんがお坊さんになるまでと、なってからのエピソードが面白い。寅さんはお話上手だから、引き込まれてしまうんですよね。お坊さんの正式な修行はしてないのは町の人は承知のうえで、寅さんの人柄にすっかり惚れ込んで、町全体で歓迎しているのがわかります。竹下景子さんはお寺のお嬢さんでバツイチ。竹下景子さんには弟(中井貴一さん)がいますが、お寺を継ぐべきはずの弟はそんな気はなく、竹下景子さんは自分が婿をとってお寺を継ぐことを考えているんですよね。そんな時に寅さんが現れて......お坊さんの寅さんはお寺一家にも町の人にも慕われて頼りにされてるんですけど、博一家は寅さんがみんなに迷惑をかけているんではないかとハラハラしてるんですよね。そのギャップも楽しい。『男はつらいよ』シリーズの中でも私にとっては喜劇的要素が高くて観てて気持ちが良い作品です。他のシリーズとは少し違うマドンナとの恋の行方は映画で観てくださいね。

 

2.第41作目 『寅次郎心の旅路』 

マドンナ:竹下景子さん

あらすじ:東北のローカル線に乗っているところ、ノイローゼ状態のサラリーマン(柄本明さん)の自殺未遂に遭遇した寅さん。柄本明さんになつかれてしまい、柄本さんの希望でウィ―ンに一緒に行くことになります。いつもの雪駄と腹巻をして、ウィ―ンに到着したものの、ウィ―ンに全然なじめない寅さん。街をウロウロしていると道に迷ってしまい、ウィ―ンでツアーガイドをしている竹下景子さんに出会います。そして、彼女のウィ―ン在住のお友達淡路恵子さんも紹介してもらい、いつもの寅さんが復活です。

 

この作品を観る時は旅行に行きたいけど行けない時が多いです。ウィ―ンは以前に行ったことがあり、華やかな街並は清潔で明るい雰囲気で良い意味で驚いた記憶があります。そのウィ―ンを寅さんが歩くんですから、もう文句のつけようがない。竹下景子さんはウィ―ンにそのまま居ついてしまったものの日本に帰りたい気持ちもどこかにあるツアーガイドさん役です。

話それますが、お気に入り作品2つに出演している竹下景子さんの凄さに気づいたのは最近です。しかも、この『男はつらいよ』シリーズではなくテレビドラマのソープ嬢モモコシリーズ。以前は竹下景子さんって、良くも悪くも普通のイメージだったんですが、ソープ嬢モモコシリーズを見て、こんな役もこなすんだと彼女の幅の広さに感服しました。ソープ嬢モモコシリーズもおすすめです。

 

3.第23作目 『翔んでる寅次郎』 

マドンナ:桃井かおりさん

あらすじ:マリッジブルーで北海道を一人旅していたお金持ちのお嬢さん桃井かおりさんに偶然出会った寅さん。旅先で彼女の悩みを聞いてあげて親切にしてあげる寅さんのいつものパターン。彼女は東京に帰り、結婚式当日を迎えますが、なんと披露宴からウェディングドレス姿で逃亡。とらやに寅さんを慕って逃げ、そのまま居候します。新婦に逃げられた新郎は布施明さん。新郎一家もお金持ちですが、布施明さんは親の反対を押し切り、自活の道を選びます。そして、自分達の意思で一緒になることを決めた2人......

 

この作品の見どころはなんと言っても桃井かおりさんと布施明さんのやり直し披露宴シーンです。披露宴はとてもとらやの近くの料亭で、出席者はとらやの関係者ばかり。しかも、仲人は寅さんとさくら、この披露宴大丈夫なのかと心配になってしまう設定なんですよ。案の定、寅さんはガチガチに緊張して挨拶に失敗しかける始末。そして、いよいよ新郎の挨拶に入ります。新郎は挨拶の代わりにギターを取り出し唄を歌うんです。ここでも「おい、あいつちゃんと歌えるのかよ。」と言う空気が流れますが、歌い出すとみんな聞き入ってしまうんです。唄は『とまり木』で、新婦を大切にする気持ちに溢れた歌詞、圧倒的な歌唱力で何度でも聴きたくなります。このシーンは布施明さんが画面の中心にいますが、ところどころ映される新婦の表情や披露宴出席者の顔も本当に素晴らしいです。例えば桃井かおりさんのお母さん(木暮実千代さん)の母親として娘の幸せを見極めようとしてる複雑な表情、温かく見守るさくら、しみじみと手酌で飲むタコ社長等。披露宴シーンはジーンとしてもらい泣きしました。

 

『男はつらいよ』シリーズの好きな作品をご紹介しました。私自身の気分によって、観たい作品はもちろん変わりますが、この3つはいつもお気に入りですね。

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