さぶりなの映画日記

ロックダウン生活で始めた映画のこと、アメリカ生活のこともちょっぴり

『男はつらいよ』シリーズ、お気に入りの作品はどれですか?

全48作品ある『男はつらいよ』シリーズで皆さんはどの作品が好きですか?

『男はつらいよ』シリーズはどの作品もそれぞれに良さがありますよね。ベストを一つ選べと言われたら難しいですが、好きな作品を複数選べるなら、いくつかあります。

自分では好きとは意識していなくても、気が付けばついつい何度も観ている作品があるんです。今回は好きな作品についてお話します。

 

1.第32作目 『口笛を吹く寅次郎』 

マドンナ:竹下景子さん

あらすじ:旅の途中、岡山県は高梁に博(さくらの旦那さんですね)のお父さんのお墓参りにふらっとやってきた寅さん。住職さんと気が合い思わず一泊してしまう寅さん。そして、ひょんなことから住職さんの代わりを務めることになる。すっかりお寺になじんでいるある日、博一家が父親の法事でやってきて......

 

まず、寅さんがお坊さんになるまでと、なってからのエピソードが面白い。寅さんはお話上手だから、引き込まれてしまうんですよね。お坊さんの正式な修行はしてないのは町の人は承知のうえで、寅さんの人柄にすっかり惚れ込んで、町全体で歓迎しているのがわかります。竹下景子さんはお寺のお嬢さんでバツイチ。竹下景子さんには弟(中井貴一さん)がいますが、お寺を継ぐべきはずの弟はそんな気はなく、竹下景子さんは自分が婿をとってお寺を継ぐことを考えているんですよね。そんな時に寅さんが現れて......お坊さんの寅さんはお寺一家にも町の人にも慕われて頼りにされてるんですけど、博一家は寅さんがみんなに迷惑をかけているんではないかとハラハラしてるんですよね。そのギャップも楽しい。『男はつらいよ』シリーズの中でも私にとっては喜劇的要素が高くて観てて気持ちが良い作品です。他のシリーズとは少し違うマドンナとの恋の行方は映画で観てくださいね。

 

2.第41作目 『寅次郎心の旅路』 

マドンナ:竹下景子さん

あらすじ:東北のローカル線に乗っているところ、ノイローゼ状態のサラリーマン(柄本明さん)の自殺未遂に遭遇した寅さん。柄本明さんになつかれてしまい、柄本さんの希望でウィ―ンに一緒に行くことになります。いつもの雪駄と腹巻をして、ウィ―ンに到着したものの、ウィ―ンに全然なじめない寅さん。街をウロウロしていると道に迷ってしまい、ウィ―ンでツアーガイドをしている竹下景子さんに出会います。そして、彼女のウィ―ン在住のお友達淡路恵子さんも紹介してもらい、いつもの寅さんが復活です。

 

この作品を観る時は旅行に行きたいけど行けない時が多いです。ウィ―ンは以前に行ったことがあり、華やかな街並は清潔で明るい雰囲気で良い意味で驚いた記憶があります。そのウィ―ンを寅さんが歩くんですから、もう文句のつけようがない。竹下景子さんはウィ―ンにそのまま居ついてしまったものの日本に帰りたい気持ちもどこかにあるツアーガイドさん役です。

話それますが、お気に入り作品2つに出演している竹下景子さんの凄さに気づいたのは最近です。しかも、この『男はつらいよ』シリーズではなくテレビドラマのソープ嬢モモコシリーズ。以前は竹下景子さんって、良くも悪くも普通のイメージだったんですが、ソープ嬢モモコシリーズを見て、こんな役もこなすんだと彼女の幅の広さに感服しました。ソープ嬢モモコシリーズもおすすめです。

 

3.第23作目 『翔んでる寅次郎』 

マドンナ:桃井かおりさん

あらすじ:マリッジブルーで北海道を一人旅していたお金持ちのお嬢さん桃井かおりさんに偶然出会った寅さん。旅先で彼女の悩みを聞いてあげて親切にしてあげる寅さんのいつものパターン。彼女は東京に帰り、結婚式当日を迎えますが、なんと披露宴からウェディングドレス姿で逃亡。とらやに寅さんを慕って逃げ、そのまま居候します。新婦に逃げられた新郎は布施明さん。新郎一家もお金持ちですが、布施明さんは親の反対を押し切り、自活の道を選びます。そして、自分達の意思で一緒になることを決めた2人......

 

この作品の見どころはなんと言っても桃井かおりさんと布施明さんのやり直し披露宴シーンです。披露宴はとてもとらやの近くの料亭で、出席者はとらやの関係者ばかり。しかも、仲人は寅さんとさくら、この披露宴大丈夫なのかと心配になってしまう設定なんですよ。案の定、寅さんはガチガチに緊張して挨拶に失敗しかける始末。そして、いよいよ新郎の挨拶に入ります。新郎は挨拶の代わりにギターを取り出し唄を歌うんです。ここでも「おい、あいつちゃんと歌えるのかよ。」と言う空気が流れますが、歌い出すとみんな聞き入ってしまうんです。唄は『とまり木』で、新婦を大切にする気持ちに溢れた歌詞、圧倒的な歌唱力で何度でも聴きたくなります。このシーンは布施明さんが画面の中心にいますが、ところどころ映される新婦の表情や披露宴出席者の顔も本当に素晴らしいです。例えば桃井かおりさんのお母さん(木暮実千代さん)の母親として娘の幸せを見極めようとしてる複雑な表情、温かく見守るさくら、しみじみと手酌で飲むタコ社長等。披露宴シーンはジーンとしてもらい泣きしました。

 

『男はつらいよ』シリーズの好きな作品をご紹介しました。私自身の気分によって、観たい作品はもちろん変わりますが、この3つはいつもお気に入りですね。

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アカデミー賞受賞韓国映画『パラサイト』観賞後はチャパグリを食べよう!

残すところ2020年もあと10日。今年はコロナのせいで、大好きな旅行にも行けませんでした。ただ、私の場合、夏は旅行熱があるのですが秋・冬は落ち着くので、今はわりと心穏やかに過ごしています。でも、来年は旅行行きたいです!

 

さて、今回の映画は韓国映画『パラサイト 半地下の家族』です。アカデミー賞とカンヌの最高賞を受賞したことで一気に注目されましたね。

 

あらすじ

薄汚い半地下に住む全員無職の家族のお話。浪人中の長男のもとに友人の代わりにお金持ちの家庭教師の話が舞い込んだところから一家の運命が変わります。長男は大学証明書を偽装し、家庭教師の職をゲット。そして、お金持ち一家が絵の家庭教師をしていることを聞き、次は長女も絵の家庭教師として雇われます。さらに次はお金持ち一家の運転手として、父親も職を得。最後は母親も家政婦として雇われます。ただし、お金持ち一家はこの4人が家族とは全く知りません。ある日、雇い主一家は家族で泊まりでキャンプに出かけます。留守中に雇い主の豪邸に滞在し、豪華な食事をして満喫していると、インターホンが鳴り。。。。。。そこから事件が始まります。

 

嘘がばれるのではとヤキモキ

まず、無職の一家がお金持ちの家に雇われていく行程が面白いです。そんな上手くいかないと思いながらも、コメディタッチかつ嘘がばれるんじゃないかとドキドキもしながら映画に引き込まれてしまいました。

キャンプに行っている間に雇い主の家で、まるで自分達の家のようにふるまう姿も「あんまり頭に乗らない方がいいのに」と思いながら観ていました。

そして、後半はその「頭に乗らない方がいい」との予感が当たるかのように、何かがガラガラと崩れだします。最後はあんなに上手くいってたのに悲しいです。

「チャパグリ?!」

映画の中で、キャンプに出かけたけども悪天候でお金持ち一家が予定より早く帰ってきてしまうシーンがあります。車中から「あと数分で家に着くから、チャパグリ作っておいて、冷蔵庫にステーキ(確かリブアイ)あるでしょ。ステーキがトッピングね。」と奥さんが電話してくるんです。それを聞き、急いで掃除をしつつ、チャパグリを作るパラサイト一家。

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「チャパグリ?」

ってなんだろうと思っているとインスタント焼きそばみたいなのがサイコロステーキをトッピングに現れます。それをとても美味しそうに食べる奥さん。う~ん、お出かけしてて、きっと疲れてて、食べなれたものが食べたくなるってすごく気持ちわかりますよね。それにしても「チャパグリってなんだ?食べてみたい。」とすごく気になりまして、調べてみると。

韓国のインスタントラーメンのチャパゲティとノグリラーメンのミックスしたもの。ノグリは辛いスープのラーメン。チャパゲティは韓国のジャージャー麺のインスタント版で、スープ無しの麺です。スープのラーメンとスープ無しのラーメンを2つ組み合わせることを思いついた人はスゴイですね。

ノグリラーメンは好きでよく食べてました。コシのある太麺とシーフード風味の辛いスープが美味しいです。韓国ジャージャー麺も好きですがチャパゲティは食べたことはありませんでした。今回、初めてチャパゲティを買いました!

作り方はとても簡単。チャパゲティもノグリラーメンも同じお鍋で茹でます。ここで少しゆで汁をとっておいて、ゆであがったら湯切りします。湯切りした麺と取っておいたゆで汁を鍋に戻し、ノグリラーメンのスープベースとチャパゲティの粉末ソースを投入し軽く炒めて出来上りです。食べる直前にチャパゲティの付属オイルを振りかけてたべてくださいね。私は前日の残りのソーセージをトッピングしました。

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う~ん、これはこれは甘さも辛さと濃さが良いバランス。だけどもインスタントラーメンのジャンキー感もあって、映画と同様に一気に食べちゃいたくなるお味です。

一つ、難点を言えばチャパゲティとノグリの2袋を使うので量が多くなりがち。家族や友達と一緒に食べたりするのがいいんじゃないかな。または半分ずつ使って2回に分けて調理もありですかね。と、思っていたらチャパグリのカップ麺もありました。

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チャパゲティもノグリもどっちも同じNongshim社ですものね。

チャパグリははまる美味しさです。ぜひ、チャパグリ食べてみてくださいね。

 

 

 

 

 

『ラブソング』香港2大スターが演じる大陸出身者のラブストーリー、テレサ・テンの歌声と共に。

2019年だけでなく、2020年も香港が揺れています。

香港大好きな私にとっては、ニュースを見る度に香港のこと、さらには台湾のことまで考えると気分が落ち込んでしまいます。

そう、香港大好きなんですよ。時々、香港の街並みを見たり、広東語を聴きたくなると香港映画を観ます。そんな時に出会ったのがこの『ラブソング』です。香港の街並みを楽しみながらみてたら、最後5分くらいが、なんとも良くてびっくりした映画でした。恋愛で切ない気分に浸りたい人におすすめです!

この映画はまだ香港がイギリス領だった時代のものです。この頃は、大陸から香港に憧れを持ってやってきて広東語や英語を勉強した。それが1990年代後半になると中国人観光客が増えはじめ、反対に北京語が出来るほうが商売に有利となり......

そして、今はまた大きな波に飲み込まれそうになっていると、時代の移り変わりをふと考えてしまいました。

あらすじ

大陸から香港にやってきたレオン・ライ演じるシウクワン。広東語も話せないし、故郷とは全く違う香港の街に圧倒されながらも仕事を見つけてなんとか生活しているシウクワン。そんな時、マギーチョン演じるレイキウに出会います。彼女は同じ大陸出身者だけれども広東語が話せるからシウクワンよりも香港での生活に余裕があります。2人ともテレサテン好きということで仲良くなり、気がつくと付き合うようになっていました。しかし、シウクワンには故郷に婚約者がいる。そして、マギー・チョンは株の暴落で財産を全て失ってしまう。元々、色々と違う2人。あることをきっかけに2人は別れてしまいますが......

 

香港の2大スターが共演

主人公のレオン・ライとマギー・チョンは香港の大スターです。でも、2人とも、写真では、カッコいい(または可愛い)かもしれないけどパっとしないなぁと思うんですけど、映画のように演じている姿を見るとやはり良いですよね。

映画の話に戻ると、レオン・ライはよく言うと素朴、悪く言えば不器用でダサい役どころにピッタリはまっています。フィアンセの誕生日プレゼント選びまでマギー・チョンに選んでもらう鈍い男です。反対にマギー・チョンはとにかくお金儲けしたいと、行動的で突っ張ってるような役どころです。香港に慣れなくてモタモタやってるレオンライのことを「あ~、見てらんない」って感じで先輩風をふかして世話を焼いているところに彼女の情の厚さが垣間見えます。

映画では上手くいきそうでなかなか思い通りにいかない、2人のすれ違いが切なく描かれています。2人とも好きとか言わず、表情で表現するので観ていて辛いです。終盤は舞台をニューヨークに移し、そこでもすれ違う2人。後半の好きだけれど、一緒になれないもどかしさは、色々な事情でそうなるにしても、観ているこちらも胸がキューンとなります。

 映画のもう一つの主役、テレサ・テン

そして、テレサ・テンの優しい歌声がさらに映画を盛り上げてくれます。『月亮代表我的心』が流れるシーンは特に好きです。この映画の原題でもある『甜蜜蜜』も流れます。テレサ・テンは日本語でも沢山歌っており、どれもとても素晴らしいですが、私は中国語の歌のほうが好きです。テレサ・テンは1995年に42歳で亡くなられました(まだ若かったんですよね)。最近の人ではご存知ない方もいるでしょう。ぜひ、テレサ・テンの中国語の歌を聞いてみてください。

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映画にも出てくるニューヨークのチャイナタウンの通り。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

『男はつらいよ』シリーズで、どのマドンナが好きですか?

もう説明が要らないくらい有名な『男はつらいよ』。1969年の第一作から始まり、1995年まで48作品が公開された国民的シリーズ。2019年12月には第50作目となる『男はつらいよ。お帰り 寅さん』も公開されましたよね。

私も『男はつらいよ』シリーズ大好きで、第1作目から第48作目までは全部観て、今でも繰り返し観ています。

下町出身でテキ屋稼業をしている寅さんこと車寅次郎が旅先や故郷柴又で出会った美女を好きになり、色々な騒動を巻き起こす喜劇で、パターンがほぼ全部同じ。同じパターンで安心な面と作品によって異なる伏線になる話がアクセントで飽きないです。寅さんの家族もみんないい人でこんなお家があったら私も遊びに行きたいです。いい感じのドタバタ劇と本当に人情味のあふれる話でコメディと言うよりも喜劇と呼ぶたくなります。

シリーズを通して36人のマドンナがいます。浅丘るり子さんや竹下景子さんのように一人で数作品に出演した女優さんがいるので48人ではないんですよね。大筋では寅さんがマドンナに惚れ、面倒見の良い寅さんだからマドンナも頼りにして仲良くなるんだけれども一部の作品を除いて寅さんが振られてしまうんです。中には寅さんを好きになるマドンナもいるんですが、好かれると及び腰になってしまう寅さん。

マドンナはその時代の旬の人です。すでに亡くなられた方も多いですが、今でも活躍されている人も沢山います。マドンナ、それぞれに個性があってそれがこのシリーズの人気の一つですよね。

 

ところで、皆さんはどのマドンナが好きでしょうか?

私の好きなマドンナをあげると、こんな感じです。映画全体の話は関係なくマドンナとして好きな人です。

光本幸子さん(第1作)

御前様のお嬢さん役です。映画の中で家まで送ってくれた寅さんに、別れ際に手をだして、寅さんがドギマギしながら握手をするシーンは、今度男の人に送ってもらったらこうしようと思いながら観ていました。品が良くて明るいお嬢さんは、こんな女性になりたいと思いました。

藤村志保さん(第20作)

『男はつらいよ』は寅さんの恋物語ともう一つの話がいつも展開されます。この回は中村雅俊さんと大竹しのぶさんの結婚がもう一つの話。中村雅俊さんの長崎県在住のお姉さん役が藤村志保さんでした。弟さん思いのお姉さんの藤村志保さんのシーンはそれほど多くないんですが、上品な話し方と控え目な雰囲気がとても好きになりました。

大原麗子さん(第22・34作)

このシリーズでは2つの作品に出ています。大原麗子さんもとても有名な女優さんでしたが、それまではウィスキーのコマーシャルのイメージしかなかったんです。2つの作品を通して、大原麗子さんの可憐さに女なのにぐっと来ました。ずっと見ていたいと思うくらいでした。しかも、あの容姿を少し裏切るようなハスキーボイス。あの声で、辛い状況をぐっとこらえながら、時折ぽろっとその辛さを表現する、男の人はたまらないでしょうね。

 

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「やらとやさんね。」

「やらとやさん」については第9作目を観てくださいね!

韓国で大ヒットした『エクストリーム・ジョブ』フライドチキンを用意して観てください。

韓国映画大好きなんですよ。特に、アクション系、刑事系、社会派系。今回の『エクストリーム・ジョブ』はアクション・コメディ。なんでも韓国で歴代興行収入一位になったとか。

あらすじは

必死で事件や事故を追っているのに実績ゼロで解体の危機を迎えているコ班長(リュ・スンリョン)率いる麻薬捜査班。国際犯罪組織による麻薬密輸の情報を得て、コ班長はチャン刑事、マ刑事、ヨンホ、ジェフンらと共に、犯罪組職のアジト近くの冴えないフライドチキン屋で潜伏操作を開始。突然、チキン屋の主人が店を売出すと言い出し、捜査官たちは店ごと買い取って偽装営業をしながらアジトの監視を続けます。最初はフライドチキン屋は全くの偽装だったのに、形だけでもフライドチキンを作って売り出したほうがいいだろうとなり、フライドチキン商売も始めます。思いもがけず、マ刑事の出身地である水源カルビ味チキンが大当たり。捜査が後回しになるほど店は大繁盛。そして、とうとうアジトからフライドチキンの出前オーダーが入り、捜査のチャンスが訪れます。

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韓国フライドチキン

映画のオフィシャルウエブサイトに載っているのがこんなストーリーです。

もちろん、間違ってはいないんですが、これを読んだらたいていの人が「そうか、刑事が偽装で始めたフライドチキン屋が大繁盛して、それでいて検挙も出来たんだな。」と予想すると思うんですよね。

ところが、韓国映画ってそんなに単純じゃない。だから面白いんです。

前半は確かに刑事ということを忘れてフライドチキン屋に没頭し、捜査がおざなりなる本末転倒的なドタバタ劇が繰り広げられます。

後半はちょっぴりネタばれですが、フライドチキン屋に思いがけずチェーン店として拡大しないかとの誘いがあります。そしてこのチェーン店拡大が実は......と、後半はコメディタッチながらハラハラして観ました。

いつも思うことで、ジャンパー姿の韓国映画の刑事さん達は(日本映画の刑事さんはスーツ姿ですよね。)とても庶民的な雰囲気でリアルな感じがします。

この映画はアクションコメディで、アクションありますけど、ダメ刑事さんと言う設定だから、カッコイイアクションがなくてどこか親近感湧きます。それと韓国映画にある思わず目をそむけてしまう血だらけシーンもなく安心して観れましたね。

韓国映画で好きなこと、もう一つ。物事がスムーズに進まないときによく「アァー!」って皆さん口にするこの「アァー!」が何故か好きです。日本語とは全くイントネーションが違うし、本当にもう嫌になるぜ!って感じで、口癖になりそうです。

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絶対にフライドチキン食べたくなる

映画を観た後は、絶対フライドチキン食べたくなりますので、気をつけてください!

私も翌日、韓国フライドチキン屋に走りました。プレーンなフライドチキンとソースが絡まったタイプがありました。ソースはシークレットソース、カルビソースとか数種類あります。ソースが絡まったフライドチキンはかなりベタベタして、日本ではあまりないタイプの唐揚げですよね。さらに、サイドでオーダーした大根キムチが箸休めにぴったり。

映画に出てくるカルビ味チキンも気になったところ、映画のオフィシャルブログからレシピサイトにリンクがありました。レシピによるとコーラもソースに使用されてるんですね。

これを書いてたら、また、フライドチキン食べたくなってきた~。

 

初の小津安二郎作品鑑賞。山本富士子さんと田中絹代さんについて語りたい。

小津安二郎監督の『彼岸花』を観ました。小津監督と言えば、日本映画界ではとても有名な方ですよね。ただ私は世代も違うし、小津監督の作品を今までは一度も観たことがありませんでした。今回、ユーチューブで見つけたのがきっかけで初めて観ました。

この映画は小津監督の初カラー作品だそうです。このカラーだから観る気になったのも理由の一つです。確かに60年以上前とは思えないほど色鮮やかでした。

出演は有馬稲子さん、久我美子さん、山本富士子さん、田中絹代さん、佐田啓二さん、

笠智衆さん、佐分利信さん等。

佐分利信さんの奥様が田中絹代さんでお嬢さんが有馬稲子さん、笠智衆さんのお嬢さんに久我美子さん。どちらも婚期を迎えたお嬢さんで親としては縁談話が気になるところ。ただ、親の思うとおりにはいかないもので、2人とも好きな人がいます。婚期を迎えた娘と父親の考え方の違いがテーマです。山本富士子さんは佐分利信さんが昔から使っている京都の旅館の一人娘で、こちらもお母さんがしきりに見合いをすすめてくる。佐分利信さんは他人のお嬢さん(山本富士子さん)の悩みには理解を示すものの、いざ自分の娘のこととなると結婚に賛成できないという矛盾。結婚問題が膠着状態になっていた時に山本富士子さんの「トリック」で有馬稲子さんの結婚は前進し、めでたく佐田啓二さんと結ばれます。

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最初に少し違和感があったのが、セリフの言い方がなんとなく感情がこもっていないような......「君、xxxだね。」の語尾の「だね」部分のイントネーションが違う気もしたし、「......だね」と言いつつも表情は硬くて暗い雰囲気。ただ、映画が進むにつれ気にならなくなりましたけどね。今ほど表情豊かに話さない時代だったのかもしれません。

佐分利信さんが良く言えば渋いけど、いかつくて怖い感じです。結婚を許さない設定なので重い雰囲気で話は進んでいきます。

ただ、京都の宿屋さん一家の山本富士子さんとそのお母さんが対照的に明るくこの2人が出てくると場面がカラッと明るくなります。もっともお母さんの方はおしゃべりで少し周りの人はもてあましてる感がありますけどね。山本富士子さんの美貌には本当に驚きました。商売をしているお家で育ち、客あしらいが上手くて屈託がなく役柄も似合ってましたね。

 

田中絹代さんはちょっとした表情で嬉しさや悲しさを表現していてすごいなぁと思いました。

娘の結婚に反対しているご主人と話す時は思いつめたような顔、ご主人が娘の結婚を許したと聞いた時の嬉しそうな顔、いずれも感情丸出しではないけれど明らかにその時の気持ちが顔に出ています。田中絹代さんが父親が娘の結婚に賛成したと聞いた後、一人で長唄(種類は分からないんですが邦楽)をラジオで聞いているシーンが好きです。きっと好きな歌がラジオから流れているんでしょうが、結婚問題が解決したことで晴れ晴れした表情です。その嬉しさが歌を口ずさんだり軽くテーブルを手でたたきながらリズムをとると小さな動きですが表現されていて、こちらも嬉しくなります。

 

古い映画ですが機会があったら観てみてくださいね。

 

 

真似したくなる『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 The Movie』

皆さん、ご存知のように太川陽介さんと蛭子さんとマドンナが旅する人気番組の映画版です。

最近は家で一人なら動画を見ながら食事をすることがほとんどです。食事の時に見たい動画ってシリアスでなく、気軽にさらっと見れて、画面に不愉快な物が出てこない、面白いもの、なんですよね。映画はまとまった時間で観たいし、食事しながらだと集中できないから、映画は機内や特別な時以外は食事のお供には向いてないなぁと思います。

その点、この映画版バス旅はテレビ番組の延長で作られているので気軽に見れます。もちろん、もともとテレビのバス旅が好きだったのも選んだ理由の一つです。素人参加バージョンをテレビ東京さんが作るなら参加したいです。でも、実際にこんな旅したら大変そうですよね。

すったもんだある途中経過が楽しいからついつい見てしまうローカル路線バスの旅。ゴール出来るのかなぁとか考えて見ることはほとんどないですけど、こんなに頑張ってるんだからゴールして欲しいとは思います。

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映画の舞台は台湾で、マドンナは三船美佳さんです。三船美佳さんのいつもニコニコしてて、親しみやすい人で、なかなか良いマドンナだなと思いました。

北に位置する台北から台湾の最南端のガランピ灯台まで、路線バスだけを使って目指す旅です。台湾の都会から田舎町まで色々な風景が楽しめます。途中で台風上陸しちゃうんですよ。暴風雨の中で強風に煽られている木が南国で異国情緒を画面から楽しみましたけど、なんでまた台風の季節を選んだんだろうと思ってしまいました。

テレビのバス旅では街角にある何気ない食堂や喫茶店が出てくるので食事シーンも好きなんです。映画版も同様に台湾の普通の食堂が出てきてましたね。

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公共交通機関の中でも路線バスは初めての土地だとハードル高いです。でもそれだけに旅先で乗れるようになると地元の人に近づいた気分になって、旅がより思い出深くなると思います。時々、旅行後、印象に残らなかったり物足りなさを感じる旅行があるんですが、そういう時はたいてい路線バスを使わなかった時ですね。

私の場合、旅行に行って初日はたいてい地下鉄(あれば)を使うんですが、2日目以降はバス利用が増えます。バスに座って車窓から見る街並み。路線バスからの眺めは干してある洗濯物が見えるような生活感に溢れる景色が多くて、それがまたいいんですよね。そして、言葉がわからないなりに、目的地にきちんと到着できた時の達成感は忘れられないです。この達成感を脳が覚えているから旅に出ているようなものです。

この映画を見ながら、台湾以外だったらどの国で出来るかなぁとぼんやり考えていました。まず、車社会のアメリカでは路線バスだけの旅って難しいです。それにバスターミナルってたいていガラが悪いですしね。香港やシンガポールは狭いからあっと言う間に終わっちゃいそうですね。ベトナムやタイならあり得る気がします。ヨーロッパはスペインに行った時にバスが充実してるなと思った記憶があります。

旅行に行ってバスに乗りたくなる映画です。

 

写真はニューヨークのバスです。出来るだけ自分の写真を使いたいので映画のイメージ、テーマにあう写真を載せています。