さぶりなの映画日記

ロックダウン生活で始めた映画のこと、アメリカ生活のこともちょっぴり

2021年アカデミー賞候補『ミナリ』

毎年2月に行われるアカデミー賞授賞式。今年は2月28日の予定がコロナ禍で4月25日に延期になっています。

今回はアカデミー賞候補の一つで気になっていた『ミナリ』を観ました。前回の『ノマドランド』もアカデミー賞候補です!

 

『ミナリ』2020年 アメリカ映画

あらすじ:1980年代、アーカンソー州に引っ越してきた韓国系一家のストーリー。ジェイコブとモニカの夫婦、アンとデービッドの子供達4人家族はジェイコブの夢を叶えるべくカリフォルニアからアーカンソー州の田舎に移住。ジェイコブはここで韓国野菜を作り成功したいと考えている。ド田舎で病院のある町から車で1時間も離れているし、新しい家はトレーラーハウス等と不安と不満で一杯のモニカ。ジェイコブは昼間はヒヨコ工場(?)で生活のために働き、それ以外は農地を開拓したり農場方面に精を出す。しかし、慣れない生活で夫婦はしょっちゅうケンカをする。そんな時、韓国からモニカの母親が移住し同居が始まる。母親の同居で上手くいったこともあるが、全体的には夫婦の間に溝が入りギクシャクし始める。ただ、ジェイコブの農場経営もなかなか軌道にのらず......

 

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アーカンソー州(イメージです)

『ミナリ』の前評判を聞いて興味は持っていたもののアーカンソー州に引っ越した韓国系家族の話ということ以外は全く内容を知らなかったんです。なんでアーカンソー州なのかと思っていたら、農場を経営したかったからでした。そして、『ミナリ』ってなんだろうと思っていたら、これも映画の途中からおぼろげにわかり始めたんですが、野菜で、セリの一種なんですね。映画を観ていて韓国系野菜はこうした苦労をへて今は安定供給されているんだとつくづく思いました。

アメリカには韓国系移民の人達って沢山います。私の家の近くにも韓国系住民が多い町があり、商店街はリトルコリア状態です。それに韓国系スーパー、ベーカリーはそれ以外の町でも(私が住んでいる州は)数多くあり、アメリカ人の間でも浸透しています。韓国系スーパーは大小いくつかありますが、Hmartというスーパーは全米展開しているほどです。私もしょっちゅうお世話になっています。スーパーの中は品物だけでなく従業員さん達も韓国のおじさんとおばさんで韓国に浸れる場所です。そんな様子を見てると移民として移住してきても、故郷の韓国への強い思いを感じます。映画は確かに韓国系移民の苦労話ですが、農場開墾の苦労話よりももっと家族に焦点が置かれています。映画の中の信心深いモニカのように韓国系の方はキリスト教の熱心な信者が多いですね。私は以前よく行った韓国系ベーカリーのおばさん、クリーニング屋さんのおばさんにしょっちゅう「今度の週末教会においで~」と誘われました。一度も行きませんでしたが、そんなことを思い出しましたね。

ただ、個人的には同じアカデミー賞候補なら『ノマドランド』押しですね。

さすらいの生活『ノマドランド』

話題の『ノマドランド』(2020年アメリカ映画)を観ました。

数年前から日本でもノマドワーカーという言葉が定着してますよね。この場合はパソコンを使って時間も場所にもとらわれない、移住しながら仕事をして生活しているカッコイイ自由人って感じです。

映画『ノマドランド』は同じノマドで、ある意味自由かもしれませんが、アメリカの車上生活者のせつない現実を映し出している映画です。車上生活者と言うとまず想像するのがキャンピングカーですよね。この映画に出てくる人達はキャンピングカーなんて高級なものではなく、DIYで改造した大型バン(たぶん12人乗りサイズ)に寝泊まりしながら、アメリカの主に西部を季節労働者として移動して生活しているノマド達を描いています。バッドランズ国立公園をはじめアメリカの大自然もたっぷり楽しめるロードムービーでもありますね。

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ノマド役の人達が随分リアルだなぁと思ったら、役者さんではなく本当のノマドさん達が出演していたんですね。主演のフランシス・マクド―マンドももちろんリアルです。ショートカットのぼさぼさの髪は洗ってない感たっぷり、なんとなくぷぅ~んって匂ってきそうな雰囲気。彼女たちがホリデーシーズン(11月12月頃)に季節労働するアマゾンの物流センター。あまりにも巨大で機械化されているし、なんか閉鎖的な雰囲気で慣れるまで大変そうと思いながら観てました。季節労働生活だからノマド達の生活は厳しい。金銭面も大変だけど、トイレの始末、車の修理などなど肉体的にも大変。でも、もっと寂しいのは同じノマドだったのに定住を決めた人もいること。

 

夫と定年したら家を売ってキャンピングカーでアメリカを旅行しながら生活しようと話していたこともありました。まさにこの映画のようなノマドです。ただキャンピングカーってトイレ、充電など色々と大変そうで長期間はやはり現実的ではないと思ったことがあります。

ノマド達を観ていて、自分の今の企業に属しながらの生活が不思議な気もしてきました。映画の中のノマド生活には一体いくらかかるのだろう、自分の貯金だと何年くらいノマド生活できるのか等と考えました。それと同時にノマドの人達の健康保険は?年金は?と考えたり、ノマドしたら自分の好きな物も食べられなそうと思うとやはり私はノマド出来ないと思いましたね。アメリカ中を旅行したい気持ちはありますけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観るまでに35年もかかった。哀れすぎるフェデリコ・フェリー二の『道』

こんにちは、今回は、名作『道』をご紹介します。

以前にも書いた通り中学時代に愛読していた映画雑誌『スクリーン』。毎年決まった付録で確か年代別名作紹介のような小冊子がありました。まだ映画が白黒だった時代からそれまでの各年の名作を紹介していたと思います。毎年ついている付録ですが、内容もほぼ毎年同じでした。白黒時代の映画では『カサブランカ』『第三の男』等が定番。その中に今回の『道』ももちろんありました。よく覚えているのが主人公の女性。白黒の時代の映画に登場する女性と言えば目鼻立ち整ってくるっと巻いた髪の毛が良く似合ういわば美女。なのに『道』の主人公はショートカットで幼い感じで非常に印象深いんだけど女性らしくない。なんか不思議そうな映画だなと思っていました。その当時は近くに映画館はないし家庭にはビデオがない時代だし、映画を観るのはテレビ放映だのみ。白黒名作はNHKがお正月に特集を組んで放映していましたが、テレビは家庭に1,2台しかないから自分の好きに観れた覚えは全くありません。今回やっと観ることが出来ました。『道』を知ってから観るまで35年もかかりました。

『道』イタリア映画 1954年

あらすじ:

大道芸人のザンバノに買われた少し頭がゆるいジェルソミーナ。ザンバノはオートバイの後ろに幌をつけた幌オートバイで力芸をしながらイタリア全国を周る。昼間は太鼓をたたいたり、ピエロの恰好をしてザンバノの芸を盛り上げる。途中で2人はサーカスに加わる。ジェルソミーナは綱渡りの青年と仲良くなり話をよくするようになる。しかし、ザンバノと綱渡りの青年は仲が良くなくケンカになり、ザンバノが殺してしまう。それから、ジェルソミーナは正気を失ってしまう。訳の分からないことをつぶやくジェルソミーナをザンバノはもてあましてしまい、とうとう彼女をある町におきざりにする。何年か経ちザンバノが海辺の町で偶然聞いたのは彼女の歌が聞こえてきた。そしてザンバノは彼女が死んだことを知る。

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この映画は悲しくて哀れです。まず、家が貧乏なジェルソミーナが売られることから始まり、芸が覚えられないジェルソミーナ、家事も出来ないジェルソミーナ。でも、お金で買われたし、自分もザンバノのいうことは聞かないといけないと分かっているから必死で明るく芸をします。観ていて痛々しいです。

ザンバノは名前の響きから連想するとおりに大男で粗野で乱暴。名前とキャラがぴったり合ってます。ジェルソミーナと彼は夫婦のように旅をしますが彼は行く先々で他の女性と肉体関係を持ちます。自分が他の女と一緒にいる間はジェルソミーナに「ここで待ってろ。」と言って当たり前のように彼女を道端で待たす。行く当てもないし、じぃっと待つ彼女のひたむきさが辛いです。

一緒に旅をしていて2人の間に愛か愛着か特別な感情は生まれなかったのか?少なくとも彼女にはそういう気持ちが生まれていました。ただザンバノにはそんなそぶりはなく、彼女に対しての感謝の念もなく彼女が彼にすることは全て当然のようにふるまっています。

でも、綱渡り青年をケンカでザンバノが殺してしまってから、彼女がうわごとを言ったり変になってしまいます。

そして、ある冬の日にとうとうザンバノは彼女が寝ている間に置き去りにして逃げてしまうんです。ジェルソミーナがその後どんな生活をしたのか想像するしか出来ません。

月日が流れ白髪頭になっても力芸をしているザンバノ。年老いても同じ芸をしているその姿も哀れです。ただジェルソミーナが死んだと知ってから海岸でザンバノがこらえられずに泣いてしまう姿はもっと哀れです。

 

最後に余談です。ザンバノのオートバイの後ろに幌をつけた幌馬車ならぬ幌オートバイ。こどもの時に耕運機で同じようなことをしている近所のおじいさんがいたことを思い出しました。そういえば最近は耕運機も見ませんね。

 

 

トランプ前大統領の弾劾裁判で話題になった『いとこのビニー』わかりやすいコメディです!

こんにちは、この記事を書いている2月15日はアメリカはプレジデントデーと言う祝日でした。大統領と言えば、1月6日のトランプ支持者達の議事堂乱入の責任はないと判断されましたね。

1月6日は夜のニュースでかなり緊迫した様子で放送されていました。私はPBSニュースと言うお堅い系のニュースをほぼ毎日見ているんですが、ニュースキャスターもレポーターも死者まで出た議事堂乱入に冷静を保とうとしつつも怒りや悲しみが抑えられないように見えました。議事堂を襲撃しようとはトランプ前大統領は言わなかったかもしれませんが、選挙の負けを認めない、1月6日にDCに集合とツイートしたり、大統領に責任があると私は思います。

話がそれちゃいました!今回、紹介する映画は『いとこのビニー』です。弾劾裁判のトランプ側の弁護士のとりとめのない冒頭陳述が『いとこのビニー』の主人公ビニーを連想させたらしく、『いとこのビニー』がなんとトレンド入りするほどでした。

 

あらすじ:

ニューヨーク大学からUCLAへ行くことに決めたラルフ・マッチオと友人、車で観光がてらアメリカ各地に寄り道しながらカリフォルニアへ。南部アラバマ州の小さな町に到着し、雑貨店で食料の買い出しをする2人。この何気ない買い物をきっかけに2人は殺人犯として捕まってしまい裁判にかけられることになります。弁護士費用もなく途方に暮れるラルフ・マッチオはニューヨークの母親に電話するといとこのビニーが弁護士だと聞き、さっそく弁護を依頼。ビニーがすぐにやってきてくれたのはありがたいものの、ビニーはまるでギャングのような装い。しかも弁護士試験には6回目でようやく受かり、弁護士になってたったの6週間。法廷経験のないビニーは裁判の手順さえ知らない。こんなんで俺たちの無罪は証明されるのかと不安になる2人。そしてドタバタが始まります。

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1992年の映画で、出演はジョー・ぺシ、ラルフ・マッチオ等。もともとストレートでベタな笑いにあふれたこの映画が大好きで、好きなシーンだけたまに見ています。今回、弾劾裁判をきっかけに久しぶりに全部観ました。コロナ禍の今はアラバマをドライブしているシーンでは早く旅行に行きたいなぁと思いましたね。やっぱり面白いですね。シュールな笑いではなくて、文化が違っても通じる笑いです。しかもばかばかしくないし、変に奇をてらってもいない。ジョー・ペシ演じるビニーの弁護士らしからぬ外見と発言にイラッとする裁判長とビニーの掛け合いや、途中で登場するドモリの弁護士は必見です。この弁護士さんは緊張するとどもってしまうんですが、話す前から緊張がわかる表情も上手くて、何度でも観てしまうシーンです。ジョー・ぺシの彼女役を演じたマリサ・トメイはこの映画でアカデミー賞を受賞しています。

ストーリーもわかりやすいので笑える映画を観たい時に絶対おすすめです。

 

パンデミックだから共感できる!『サバイバル・ファミリー』

コロナ発生から1年経ちましたが、収まるにはもうしばらくかかりそうですよね。

もぉッ本当に早くコロナ終われ!と叫びたいですよ。

私の住んでいるエリアは、屋内飲食は限定的(確か定員の25%までかな?)かつ営業は夜10時までとなっています。リモートワークがまだまだ中心でショップや街中も以前よりは人出が戻ったとは言え、パンデミック前よりはかなり少ないです。

私自身も運動不足にならないように散歩には行きますが、外出は出来るだけ控えています。最近は寒さもあり、食材の買い出しもせずに宅配サービスを利用してます。家に食材が運ばれてくると精神的にも体力的にも本当に楽です。コロナ禍での食材の買い出しはやっぱり疲れます。まず、スーパー入店の列、鼻だしマスクの人がいれば、その人を避けたくなるし、いつでもソーシャルディスタンス。そして、家に戻ってきたら、シャワーを浴び着替える、購入した物を拭いて冷蔵庫へとパンデミック前よりもやることが増えました。

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さて、映画の話です。今回ご紹介するのは『サバイバル・ファミリー』。主演は小日向文世、深津絵里等の2017年の日本映画です。

あらすじ:東京に住む夫婦、息子、娘のごくごく一般的な家族(小日向文世と深津絵里が夫婦)。ある日突然、停電になってしまう。単なる停電かと思いきや交通もガスも水道も全て止まり途方に暮れる一家。もちろん物流も止まり食料確保も出来なくなる。東京にいては生き残れないと妻の実家の鹿児島へ向かうことを決意。飛行機も電車もないなかどうやって東京から九州へ行くのかというとなんとママチャリ。4人はママチャリをこいで西へ走る。

リアルな人物像

電気、ガス、水道、交通が全て止まるというあり得ない設定。さらに自転車で九州までもちょっとねぇと思いました。

設定はありえないけど、描かれている人物がリアルです。まず、小日向文世さんの家族をないがしろにしてきて子供から全く信頼のないダメおやじぶりがリアルです。口から出るのは短い単語のみで家族ときちんと会話をしないお父さん、パニック時に行動力もなくて頼りにならないお父さん。そんな、小日向お父さんに「ぷっ」と笑ってしまうこと数回。

さらに東京から九州への道中でいろいろな人達に出会うんですが、その中でも印象に残ったのが時任三郎と藤原紀香が演じるアウトドア系スポーツファミリー。ママチャリに汚れきった服装の小日向一家とは違い颯爽としたサイクリスト姿、普段からきっとキャンプしていて、このパニックでも余裕のあるファミリー。でも、時任・藤原ファミリーはなんか好きになれなかった。ただ、こういう人達絶対にいる!と思うほどリアルでしたね。小日向・深津一家はこのパニックを乗り越えるアイデアが全くなくてイライラするんだけど、時任・藤原ファミリー後は親近感さえ覚えました。

都会から人が田舎へ流れていく様子や空のスーパーの様子は、今回のパンデミックとの共通点です。

きっと、コロナ禍じゃなかったら観なかったと思うけど、コミカルさと真面目さがほどよく調和した映画です。見終わって、何かを考えさせるような深刻さはなく、さらっと見た映画でした。

映画の設定はありえないと思いましたが、ふと振り返ればコロナのように予想外のことが起きているんで、まんざらあり得ない設定ではないのかも......いや~ないでしょう。

 

 

 

 

必ず泣ける!高校と部活のスポ根アメリカ映画3選。

こんにちは、今年も気が付けば2月。月日が経つのが早いですね。

アメリカはスーパーボウルを来週に控え、盛り上がってきました。

スーパーボウルはアメリカンフットボールNFLの最高峰を決める試合です。毎年、高額な観戦チケット、ハーフタイムショーと何かと。テレビ視聴率はなんと50%近いらしいです。私もアメフトは普段は見ませんが、スーパーボウルだけは見ますね。

 

今回はアメフト=スポーツがらみで、スポーツ関係の映画を3つご紹介します。どれも話は単純なんです。単純だから気楽に観れる、でも最後は感動しちゃう3つです。

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『マクファーランド 栄光への疾走』(2015年)

出演:ケビン・コスナー

あらすじ:1987年のカリフォルニアが舞台。高校でアメフト部のコーチをしていたジム・ホワイト(ケビン・コスナー)は問題を起こしたことで解任され、ヒスパニック系住民が多い農業地域の中にあるマクファーランド高校に着任。ある日、ジムは体育の授業で生徒たちの脚力の強さに気づき、クロス・カントリーチームを立ち上げる。生徒たちは毎日、親と一緒に農場で働きそのまま登校、放課後は農場へ一目散に走るため、脅威の脚力を身に付けていた。走る能力はあるものの農場の仕事、貧困、将来への不安等数々の試練があり練習に専念できない生徒達。それでも練習を重ね、試合にも出場し、気が付けば州大会出場決定。

 

『ボディガード』のイメージのあるケビン・コスナーが冴えない落ちこぼれコーチを演じています。コーチはヨーロッパ系アメリカ人、生徒たちはヒスパニック系、色々と異なる面が多い両者ですが、練習を通して絆を強めていきます。決して恵まれた環境ではないのに練習をとおして変わっていく生徒たちの姿に感動。試合前に生徒たちが輪になってお祈りをささげるシーンはヒスパニック系の人達の信心深さを表していて清々しい気持ちになります。実話に基づいており、映画の最後では生徒たちのモデルとなった人物達が登場します。

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『勝利への旅立ち』(1986年)

出演:ジーン・ハックマン、デニス・ホッパー、バーバラ・ハーシー等

あらすじ:舞台は1951年のインディアナ州にある小さな町ヒッコリー。暴行事件を起こし、長い間バスケットボールのコーチから遠ざかっていたノーマン・デール(ジーン・ハックマン)は、友人の校長を助けるため、この町の高校のコーチに就任。バスケットボールはメンバーはたったの7人。新コーチへの反発、町の人々からも受け入れられず、窮地に立たされるもなんとか前に進むヒッコリーバスケットチーム。そして、なんとチームは州大会の決勝まで駒を進める・・・。

実話に基づくではなく、実話からヒントを得て作られた映画です。最初はチームはバラバラだったのに終盤の快進撃は驚きです。そして、いつの間にか町全体がチームを応援。負けないで欲しいと心から思いました。勝ち進むにつれ、試合会場が大きくなり、雰囲気に呑まれそうにながらも乗り越えていくチーム。デニス・ホッパーはこの映画でゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞にノミネートされています。古い映画ですが、清いくらいにサクセスストーリーなのでぜひ観てほしいですね。

 

『The Nomads』(2019年)

あらすじ:予算がないため一部学校の閉鎖と再編成が決定になったフィラデルフィア。英語教師のティカ(女性)が勤務していた高校も閉鎖となり、他の学校で歴史教師として採用される。採用された高校は治安の悪いエリアにあり、金属探知機と身体検査を登校時に行うほど。卒業率は60%、生徒たちの校内暴力は絶えず学校は荒れ放題。自分自身も父親もラグビープレイヤーだったティカは同僚の先生と一緒にラグビーチームを立ち上げる。アメフトほど知名度がないラグビーだがなんとか数人の生徒がチームに参加。ユニフォームを買うお金さえないチームだったが、ラグビーだけでなく勉強やしつけも教えようとするティカのもと次第に団結していく。しかし、生徒の一人がギャングとのトラブルに巻き込まれ、練習中に銃で撃たれてしまう。そして、チームは解散の危機に。。。

 

こちらも実話からヒントを得て作られた映画です。アメリカでは知名度がないラグビーを取り上げています。そして、スポーツ映画と言うと練習し勝っていくのがストーリーとして多いんでしょうが、この映画はチームの存続がストーリー。治安が悪い貧困地区では子供の意思とは全く関係なくトラブルに巻き込まれてしまうケースがあります。そんなアメリカの一面を映し出している映画です。映画は約90分で短いため、展開に物足りなさもありますが最後は泣いてしまいましたね。

 

 

 

 

ストーリーよりもメキシコの家の造りに驚いた!『ローマ』

皆さん、お元気ですか?

2021年もコロナがなかなか落ち着きませんね。

私の住んでいる地域は再度のロックダウンにはなっていませんが、周囲で感染拡大しているので出来るだけ自主的に外出は控えています。なんとか皆で乗り切りましょう!

 

さて、今回の映画はメキシコ映画の『ローマ(ROMA)』です。ネットフリックスで配信され、アカデミー賞、ベネチア国際映画賞等でも賞をとった作品です。

メキシコ映画って全然観る機会がなく、数十年前に『エル・マリアッチ』を観て以来じゃないかなぁ。

 

あらすじ

70年代初めのメキシコシティ。住み込みで働く家政婦クレオの日常を描いた作品。クレオは医者のアントニオ、妻のソフィア、子供達4人、ソフィアの母のテレサの7人家族の家で働いている。アントニオはある日、カナダに出張に出かけていく。クレオはフェルミンという男性と深い仲になり、妊娠が発覚。が、フェルミンは妊娠が分かるとクレオの前から姿を消してしまう。それでもクレオはいつも通り、子供達の面倒をみながら日々を過ごすが、テレサとベビーベッドを買いに行った際にある事件を目撃しショックで破水してしまう。同時に雇い主のアントニオとソフィア夫婦も離婚が決定。残されたソフィアは生活をしていくために車買い替えを進め、仕事を探したりと必死。車を売る前に家族旅行へ出かける。クレオも一緒に行く。旅先で自分と夫の離婚を子供達に伝えるソフィア。ビーチで遊んでいると子供達が波にさらわれておぼれかけてしまう。泳げないにもかかわらず海に飛び込むクレオ。クレオのおかげで無事に子供達は助かり、砂浜でお互いを抱き合って泣く一家とクレオ。

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写真はイメージです

白黒映画です。ところどころにメキシコの格差が描かれています。例えば、クレオはじめ家政婦は先住民族系、雇い主はヨーロッパ系(雇い主の人達もクレオには良く接していますけども。)。また、クレオとボーイフレンドが過ごす部屋やエリアはゴチャゴチャしていてあまり裕福ではない、クレオは健康保険に入っていない等。映画は確かBGMが無くて静かに進んでいきます。ただ、学生運動のシーンは白黒なのにパッションを感じました。

ところで、ストーリー以上に驚いたのがメキシコの家の造りです。メキシコの1970年代の中産階級らしいですが、リビングルーム、吹き抜けのロビー、キッチン、ベッドルーム、家政婦の住む離れ等とかなり広い家です。中産階級と言っても中の上な気がしました。家の造りは道に面した様子ではそう広くは見えないですが、奥に広いみたいです。で、何が驚いたかと言うと、ガレージ、住まい、庭が全部合体していたこと(少なくともそう見えました)。多分家の周り全体が壁や塀で囲まれているのではないかな。映画の家族は犬を飼っていて、庭、ガレージ、住まい等を自由に行き来してるんですが、ガレージには犬の糞がよく落ちていました。(家政婦たちが掃除しているシーンもあります。)ガレージは玄関にもつながっており、まず車が入ってくるときに糞ふんじゃいそう、帰ってきたときに人も糞ふんじゃいそうと変に心配しちゃいましたね。

映画としてはきっと好き嫌いがあると思いますが、メキシコの生活様式がとても興味深かったです。ガレージの糞問題がなければとても素敵なお家で真似したいですね。